GUIDE

複数のウイスキーを比較テイスティングする方法

一つのウイスキーだけでは表現しにくい特徴も、別の銘柄と並べると違いが分かりやすくなります。 比較テイスティングでは、優劣を決めるよりも、条件をそろえて共通点と違いを見つけることを目的にしましょう。

1. 最初は二つの銘柄から始める

一度に多くの銘柄を試すと、香りや味わいの記憶が混ざりやすくなります。最初は二つに絞り、 比較したいテーマを一つ決めます。共通点のある二つを選ぶと細かな違いを、性格の異なる二つを選ぶと大きな違いを見つけやすくなります。

  • 同じ地域で蒸留所が異なる二つ
  • 同じ銘柄の加水前と加水後
  • 煙の香りが穏やかなものと強いもの
  • 果実感の方向性が異なる二つ

2. グラス、量、時間をそろえる

比較する条件が異なると、銘柄の違いではなくグラスや温度の違いを評価してしまう可能性があります。 同じ形のグラスに同程度の量を注ぎ、同じ時間だけ置いてから確認します。左右の位置による先入観を減らすため、 グラスに記号を付けておくのも有効です。

  1. 同じ形の清潔なグラスを二つ用意する
  2. それぞれに同程度の量を注ぐ
  3. 注いだ時刻と確認を始めた時刻をそろえる
  4. 水を用意し、試す間に口を休ませる

3. 香りから交互に確認する

一方のグラスだけを長く確認すると、その香りに慣れて違いが分かりにくくなります。まずA、次にBを短く確認し、 再びAへ戻ります。最初は具体的な香りの名前より、軽い・重い、甘い・乾いた、穏やか・力強いといった相対的な違いを探します。

香りの比較例

Aは明るく爽やかで、青リンゴのような香り。BはAより甘く重く、ドライフルーツとシナモンを連想する。 両方にバニラを感じるが、Bの方が強い。

4. 味わいと余韻は少量ずつ比べる

味わいを比べるときは、一口の量を小さくし、口の中が落ち着いてから次へ進みます。香りと同じ順番だけでなく、 二巡目は順番を入れ替えると、先に飲んだ銘柄の影響に気づきやすくなります。刺激が強い銘柄の後は、十分に間を空けましょう。

  • 口当たりの軽さ、厚み、油分
  • 甘さ、酸味、苦み、スパイスの強さ
  • 余韻に残る香りと長さ
  • 時間を置いた後に変わった要素

5. 共通点と最大の違いを一つずつ書く

すべての違いを詳しく書こうとすると、記録を続けにくくなります。最初は「共通して感じた特徴」と 「最も大きく異なった特徴」を一つずつ残します。その後、余裕があれば好みの理由や飲みたい場面を追記します。

比較結果の記入例

共通点はバニラの甘さ。最大の違いは余韻で、Aは柑橘の皮のように爽やかに終わり、Bは黒こしょうの刺激が長く残る。 今回はAの方が好みだが、食後にはBも合いそう。

6. 点数は比較の最後に付ける

最初に点数を付けると、後の観察がその評価に引っ張られる場合があります。香り、味わい、余韻、共通点、違いを記録してから、 必要に応じて点数を付けます。点数が同じでも好みの理由が異なる場合があるため、コメントを一緒に残すことが重要です。

7. 一度に試す量を抑える

比較テイスティングでは複数のグラスを使うため、意図せず飲酒量が増えることがあります。各グラスに注ぐ量を少なくし、 水を飲みながら十分な時間をかけてください。感じ方が鈍くなった場合や体調に変化がある場合は、その時点で終了しましょう。